2021年9月10日金曜日

バリアフリーについて考えてみた

こんにちは。
機能訓練担当の柴田です。
blogの更新が進まなかった間に、梅雨から初夏、そして秋へと移ってしまいました(焦)。
心機一転、定期的に情報を発信していきますので、よろしくお願いします。

今回のテーマはズバリ「坂道」です。


以前、利用者のに生活で困っていることはないかを聞いたところ、「元気になって散歩に出れるようになったけど、坂道が怖いんです」とのこと。
その方は、自宅からの道でかなりの急坂を通らないと大通りにアクセスができない地域にお住まいでした。

我々セラピストは、学生自体、バリアフリーや生活環境などを考える授業で、「スロープを考える際は車椅子なども考慮し、1/12の傾斜(角度で言うと約5°)を基準に考えろ」と教わります。しかし、その実、家屋回収などでスロープを考える場合、この傾斜で納めることなどほぼ不可能なことがほとんどです。
実際は、介助者がいれば1/8程度の傾斜でも何とかなるのはなるんですが…。
とまあ、環境を人工的に作る家ですらこの感じです。
ましてや、元々の地形に即して道路を引いた公道などは、片麻痺などの障がい者が自走することはほぼ考えられてないのではないかと思いました。
それに加えて、超高齢社会が叫ばれて久しい昨今、シルバーカーなどで散歩にでる高齢者の方々もたくさんいますが、これも非常に危険ではないかと。
あとは、車椅子の自走ですね。
知らない方もいるかもしれませんが、介助下で車椅子が坂道を下る際は、下記の図のように原則後進でいくのが基本です。
でも、自走の場合はどうでしょう?
おそらく後進で進むのは無理でしょうし、危険です。
そうなると、今回相談があったような坂に囲まれたお家に住んでいる方はそれだけで外出が困難となってしまいます。

と言うように、まだまだ私たちの周りには障がい者の方々に対して過酷な環境が多いのが現状です。
今まではある意味、仕方なかったかもしれません。多くの道路が引かれた時、バリアフリーや車椅子の方々が自走することなど想定して設計はされていませんので。
これは、良い悪いという話ではないですが、せっかく東京パラリンピックが終わり、障がい者の方々へ目が向いている今だからこそ、我々リハビリテーション専門職を初め、多くの方はただ単に「バリアフリーが〜」と騒ぐのではなく、もっともっと身近な具体的なことに目を向けるべきなのだと思います。

PS
今回の利用者様からの訴えについては、完璧とは行かないですが、対策を考え訓練として対応を行なっております。
その内容は、本人の許可がおりればアップしたいと思います。

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